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ストーリー

目次
12.第6話 起
【ムジナ】
「みなさん、集まっていただき
 ありがとうございます」


【ルキア】
「みんなを集めたってことは
 なんか分かったの?」


【セイメイ】
「えぇ、お待たせしてしまい申し訳ありません。
 今起こっていることを伝えましょう」

「先にわらわがマキシブコードを調べた際、
 いくつかの記録された事象の
 欠落が見られました」

「そこでヴァルアドス殿の協力を得、
 あなたたちの世界の記憶装置と
 照らし合わせたのです」


【セリオス】
「僕らの世界の記憶装置というと、
 賢者の石のことか……」


【セイメイ】
「そして判明したのは、あの正体不明の敵は
 やはりマキシブコードと関わりがあると
 いうことでした」

「マキシブコードが、複数の世界に
 またがるような大規模な事象の記録の際に
 生じるほんのわずかな差異……」

「個々ではさほど問題のないものですが、
 時とともに幾重にも積み重なったそれは
 やがて『ひずみ』となり……」

「本体であるマキシブコードに
 害を与えるものと化した。
 それがあの敵の本質です」


【イナリ】
「なんか、プログラムのバグみたい……」


【ムジナ】
「例えとしては悪くないね。
 ただどちらかといえば自然災害のような
 ものかもしれない」


【リエル】
「害というのは、先ほどおっしゃった
 マキシブコードの記録の欠落のことでしょうか」


【セイメイ】
「えぇ、そうです。
 そして、そればかりか
 事象の改変までも行っています」


【ユウ】
「事象の改変って?」


【セイメイ】
「あの敵の攻撃を受けた
 わらわのこの姿が良い例でしょう」

「これは、わらわの中にあった
 『身体の成長』という事象を
 奪われた結果です」

「奪われた事象が、生命活動に
 係わるものでなかっただけ
 幸運だったといえるでしょう」


【ユリ】
「こわっ!」


【マラリヤ】
「そこで若返りを引くとは
 とんだ強運だこと」


【ラスク】
「ん? マキシブコードって大昔からあるんだよね?
 じゃあ、その『ひずみ』ができたのは
 今回だけじゃないってことじゃ……」


【セイメイ】
「その通りです。
 永い永い時をかけ大きくなった『ひずみ』は
 大規模な改変をもたらすと考えられます」

「その改変はかつて起きていたのです。
 それは……」


【リック】
「……!
 この世界の魔法樹の変質か!」


【セイメイ】
「そういうことなのでしょう。
 その折に突き止められなかったのが
 悔やまれます」

「とはいえ、それは過ぎしこと。
 問題はここからです」

「かつての大きな『ひずみ』は、
 魔法樹の変質という形で
 一度は解放されました」

「しかしあれから永き時が経っています。
 つまり『ひずみ』も再び蓄積していると
 考えるのが妥当でしょう」


【ルキア】
「えええええぇ!
 世界の危機クラスのヤバイことが
 また起こるってこと!?」


【グリム・ルキア】
「……お袋、いいかい!?」


【セイメイ】
「どうしました?」


【グリム・ルキア】
「以前、使おうと思った魔法が
 出なかったことがあるんだ。
 コイツってさぁ……」


【セイメイ】
「そうですか……。
 あの敵の出現と合わせて、
 予兆と見てよいでしょうね」


【グリム・ルキア】
「やれやれ参ったね……」


【ルキア】
「え? グリム・ルキアはあのヘンなのから
 ダメージ受けてないでしょ?」


【グリム・ルキア】
「つまり、そういうの関係ナシに
 『あったこと』に影響が
 出始めてるってことさ」


【ルキア】
「うわっ、なんでもありじゃん!
 どうすんのそんなの!」


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